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『食べるのを我慢できないのは、あなたの意志が弱いからではありません。』
(白澤卓二/KADOKAWA/角川マガジンズ)  

読後、はて、何を食べるものかと迷ってしまう
もうそれだけで効果があるのかもしれない1冊が
『食べるのを我慢できないのは、あなたの意志が弱いからではありません。』(白澤卓二/KADOKAWA/角川マガジンズ)です。

 


端的にまとめれば、著者が言わんとしているのは、私たちが常食している白米、小麦、砂糖など精製された食品、油や塩を添加した加工食品がいかに危ないか、ということ。


「白米が危ない」などと言われると、日本人ならだれでも鼻息荒く反発したくなるもの。
でも「糖+脂+塩」が合わさると、コカイン並みの中毒性を発揮するというから怖いのです。
そうそう、日本のご飯も小麦もぴっかぴかしています。
純度が高すぎる糖質、なかでも砂糖と白米の中毒性が高いと著者は警告します。
「ドラッグ」故に食べても食べても満足できない。
カロリーを制限しようが、痩せられないのはこれが原因だと。

「異常な食欲」を抑えられない、この食欲は不安やストレスが原因でもあり、またこうした食物が知らず知らずのうちに食欲の神経を犯しているからだと。
オソロシイですね。

しかも女性のほうがこの食欲を暴走させる物質「レプチン」が脂肪細胞から出やすいのだと! 嗚呼。

両頬平手打ちの衝撃。
「寂しい女は太る」の科学的根拠の叙述は、もう、肥満児経験のある私には涙なしには読めませんでした(涙)。

コンビニ惣菜やファーストフードなど、もちろん最悪。お菓子もダメ。スナック菓子などもってのほか。
あぁ、現代人の私たちはじゃぁ、何を食べればいいんでしょう?と憤ることもしばしば。
落ち着いて読了すると、健康的な食事というのがいかに重要か、そしていかにシンプルなのか
また、日頃の食卓や食事習慣、食事でなくとも「口に入れる」ものの実態をしみじみと観察できるようになります。

アメリカは肥満が人口の35%を超えているとか!
西洋式の食事に寄ってきている私たちに、十分な警鐘をならしてくれる1冊です。

巻末の「ドラック食材危険度リスト」役に立ちます。

文=ワイコブ